こんにちは!チェコ プラハで駐在員をしているいながきです。
僕はチェコビールが大好きでいつも冷蔵庫の中には10本以上のビールが冷えています。そして出張のときはご当地のビール醸造所をめぐって新しいビールと出会うことをライフワークにしています。
そんな僕が10月5日「ウルケルの誕生日」にプラハのU Pinkasů(ウ・ピンカスー)で開催されたタップスターの祭典「Pinkasu’s Nightmare(ピンカスナイトメア)レース」を観戦してきたのでレポートします。
目次
なぜ10月5日がウルケルの誕生日なの?
ウルケルにとって記念日はいくつかあり、代表的なのが「10月5日」と「11月11日」です。
1842年10月5日はドイツ人醸造家のヨーゼフ・グロルによって初めてウルケルの仕込みが行われた日で、同年11月11日は完成したピルスナー・ウルケルが初めてプルゼニュ市民に振る舞われた日です。
このうちピルスナーウルケル社としては、初仕込みが行われた10月5日を「ウルケルの誕生日」としています。
U Pinkasů(ウ・ピンカスー)ってどんなレストラン?
U Pinkasůはチェコのプラハにあるレストランで、1843年(ウルケル完成の翌年)にプラハで初めてウルケルを提供したレストランとして知られています。レストランの地下には当時のサーバーとウルケルの記念モニュメントが残されています。
Pinkasu’s Nightmareレースってどんなレース?なぜ始まったの?
Pinkasu’s Nightmare(ピンカスーナイトメア)レースは2010年に初めて開催され、2021年の今回で11回目を迎える比較的新しいレースです。
毎年ウルケルの誕生日である10月5日にウ・ピンカスーで開催され、チェコや海外から集まったタップスターたちがビールを注ぐところからビールを運ぶまでのタイムを競います。
ではなぜこんなレースが始まったのか?
1843年当時、ビールは貯蔵されている地下室でピッチャーに移され、お客がいるテーブルに運ばれたあとお客自身がグラスに注いでいました。
しかしウ・ピンカスー創業者のヤクブ・ピンカスーは地下室でしっかり冷やされたウルケルをその場でグラスに注ぎ、階段を駆け上がりお客に提供することでビールの提供品質向上に努めました。
ビールの提供品質向上に貢献したヤクブ・ピンカスーに敬意を評しこのレースが開催されるようになったそうです。
予選の様子
午後2時から、全世界から集まった26人のタップスターによる予選が行われました。予選は1対1の対戦形式で、4杯のビールを注ぎそれらを持ってウ・ピンカスーの周りを一周し帰ってくるまでのタイムを競います。
普段はウルケルを完璧に注ぐタップスターさんたちも焦ると泡だらけのビールになっちゃったりするんですね。
予選の結果、15人のタップスターが本選へ駒を進めました。
本選の様子
本選はひとりひとりが別々に試技を行います。地下にあるビールサーバーで10杯のウルケルを注ぎ、それを持って2階まで41段の階段を駆け上がりそのタイムとビール残量やタップ品質を競います。
10杯のビールがどれくらい重いかというと、ウルケルグラスが約865gなので10杯のグラスとビールの合計は約13.6kgにもなります。女性のタップスターの方、普通に持ってましたが結構重いですよね。
これを持って41段も上がらないといけないので結構ハードだと思います。
タップスターが試技をはじめる前にテストでウルケルを2杯注ぐのですが、見ている観客の僕たちにそのビールを無料でプレゼントしてくれました。タップスターの方たちは「いいよ、飲みなよ~」って感じでとてもフレンドリーでした。
ここにいるすべての人がウルケルを愛し、ウルケルで繋がっているんだなと感じました。タップスターを尊敬するウルケルファンとしてはタップスターが注いだビールを無料でもらえるなんでこんな夢みたいなことはありませんでした。
15人の試技が終わり結果はこのようになりました。
優勝者はIgorさん
優勝者はタイムがダントツで早かったIgorさん。Igorさんはプラハにある「Cerveny Jeren」というレストランで勤務されているそうです。
Igorさんの注いだウルケルを飲みたい方はぜひ訪れてみてください。
優勝したIgorさんを突撃し、ウ・ピンカスーの地下にあるウルケルの記念モニュメントの前で写真を撮ってもらいました!
突然写真をお願いしたにも関わらず快く応じてくれてとても気さくな方でした。Igorさんのいるお店に行ってびーが飲みたいですね!!
タップスターってかっこいい!
通常タップスターはそれぞれのレストランに所属していてウルケルの提供を行っています。
今回は世界中のタップスターが集結し、国も言語も違う、世代も違うなかでウルケルというビールを通して一つになっている姿を見ていいなと思いました。
また、タップスターの方々がウルケルを注いでいる姿ってめちゃくちゃかっこいいんですよね。
みなさんウルケルに真剣でそれでいて気さくな方ばかりでした。
ウルケルの開栓セレモニー
ナイトメアレースが終了したあとはウルケルの開栓セレモニーが開催され、木樽に入れられた無濾過のウルケルが見物人たちに振る舞われました。
ここでもタップスターと観客がウルケルを酌み交わし談笑しあう光景が見られました。
ウルケルはビールとしてもちろん素晴らしいですが、人種や世代を超えて、醸造家、タップスター、レストラン従事者、飲む人がひとつになれる素晴らしいビールだと感じました。
ちなみに僕は無濾過ウルケルを3杯もいただきました~
– Special Thanks!! –