プラハの建築家が描く”纏う物語”。大統領夫人も愛するシルクブランド「Silky Gang(シルキーギャング)」とは?

チェコの「美」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

アール・ヌーヴォーの建築、ボヘミアガラスの輝き、あるいは黄金色のピルスナーウルケルかもしれません。

ですが今、プラハの感度の高い女性たちの間で、ある新しいブランドが静かな熱狂を生んでいます。

その名は「Silky Gang(シルキーギャング)」。

日本ではまだほとんど知られていないこのブランドは、単なるファッションアイテムではありません。それは、建築家が設計し、チェコの童話を宿し、イタリアの最高級シルクで仕立てられた「纏う芸術品(Wearable Stories)」。

今回は、駐日チェコ共和国大使館で開催された「チェコの情熱あふれる高貴なデザイン展(Czech Passion for Noble Design 2026)」でお会いしたSilky Gangについてまとめました!

創設者の哲学から、チェコ大統領夫人も愛用するその品質まで、Silky Gangの全貌を掘り下げていきたいと思います。

Special thanks to Silky Gang for their cooperation and providing images.
取材協力・画像提供:Silky Gang

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ブランド哲学:「Silky(優雅)」と「Gang(過酷)」の間で

ブランド名の「Silky Gang」には、創設者マルティナ・SG・カラフィアートヴァ(Martina SG Karafiátová)氏の深い人生哲学が込められています。

  • Silky(シルキー): 人生に訪れる、シルクのように柔らかく、穏やかで美しい瞬間。
  • Gang(ギャング): 人生に立ちはだかる、厳しく過酷な側面。

彼女は言います。

Martina SG Karafiátová

人生はおとぎ話と同じ。主人公は『めでたしめでたし(All’s well that ends well)』というハッピーエンドに辿り着くまでに、森を抜け、悪と戦い、多くの困難を乗り越えなければならない。

と。

このスカーフを巻くことは、日々の「Gang(困難)」に立ち向かうための、美しく強い鎧を身につけることなのかもしれません。

建築家が設計する「畳んでも美しい」幾何学

Silky Gangの特異性は、創設者マルティナ氏が20年以上のキャリアを持つ「建築家・土木技師」である点にあります。

建築の世界で「円」を愛してきた彼女ですが、スカーフにおいては実用性と美の調和から「正方形」を選択しました。しかし、ただの四角形ではありません。

彼女のスカーフは、「どのように折り畳んでも、常に物語の一部が美しく見える」ように緻密に設計されています。

1つのモチーフの完成にかける時間は約8週間。

スカーフを広げれば一枚の絵画として成立し、首元に巻けば色彩の重なりが計算された幾何学模様となる。それはまさに、シルクの上に建てられた建築物なのです。

Wearable Stories:チェコの物語を纏う

Silky Gangの真骨頂は、そのデザインに込められた「物語」です。

スカーフコレクションをアート作品と考えており、すべてのシルクスカーフはシリアルナンバー付きで、100枚または200枚の限定品なんだそうです。

また、Silky Gangのスカーフは、オーナー単独の作品ではなく、様々なチェコのイラストレーターたちとのコラボレーションによって描かれています。

「シルクのスカーフというキャンバスを通して、チェコの素晴らしいイラストレーションを世界へ紹介すること」

これこそが、彼女がこのブランドに込めた大切なミッションとのこと。

ここでは、ブランドを代表するいくつかのコレクションをご紹介します。

不思議の国のアリス(Alice in Wonderland)

ブランドの顔とも言える作品。誰もが知るルイス・キャロルの世界ですが、Silky Gangのフィルターを通すと、そこには大人の女性にふさわしい幻想的でエレガントな色彩が広がります。

四隅によって異なるシーンが描かれており、巻き方ひとつで全く違う表情を見せてくれます。

オテサーネク(Otesánek)

チェコ好きなら見逃せないのがこの一枚。「食いしん坊の切り株」として知られるチェコの伝統的な民話です。

子供のいない夫婦が切り株を子供として可愛がると、その切り株が動き出し、最後にはすべてを飲み込んでしまう……という、少しダークでシュールな物語。

この「毒っ気」こそがチェコ芸術の真髄であり、ブランド名にある「Gang」の要素を美しく昇華させた傑作です。

悪魔とカーチャ(The Devil and Kacha)

おてんばな娘カーチャが、ダンス相手の悪魔をやり込めてしまう愉快な民話。

このデザインはスカーフだけでなく「アート・ポーセリン(磁器)」プロジェクトでも採用されています。

カルロヴィ・ヴァリ近郊の伝統技術で作られたお皿とスカーフを合わせる、究極のテーブルコーディネートも可能です。

妥協なきクラフトマンシップと「ギズモ」

「エルメスは誰もが買えるわけではないが、Silky Gangは夢見る価値がある」

顧客にそう言わしめる理由は、ハイブランドに引けを取らない圧倒的な品質にあります。

  • イタリア・コモ産の最高級シルク:150年の歴史を持つ北イタリアの工場で、厳格なオーガニック基準(GOTS)に従って製造・プリントされています。
  • チェコ職人による縫製:仕上げの「手巻きの裾(ロールヘム)」は、熟練の職人が手作業で行っており、そのふっくらとした立体感は高級品の証です。
  • ラムレザーの手袋:イタリア・ナポリの革を使用し、裏地にはシルク100%を採用。チェコの家族経営工房で仕立てられています。

魔法のボタン「ギズモ(Gizmo)」

Silky Gangの発明とも言えるのが、独自のパールボタン「ギズモ」です。

これは、スカーフを留めるための美しいアクセサリー。

大きな結び目を作ることなく、スカーフを優雅に固定し、まるで服の一部であるかのように自在なドレープを作り出すことができます。

「不器用でスカーフがうまく巻けない」という悩みを、建築家らしい機能美で解決してくれます。

サイズ展開と選び方

あなたのライフスタイルに合う一枚はどれでしょうか?

  • 47 × 47 cm(プチスカーフ):
    首元にコンパクトに巻くのはもちろん、手首に結んだり、バッグのハンドルに巻いたり。男性のポケットチーフとしても使える万能サイズ。
  • 90 × 90 cm(カレ):
    スカーフの王道サイズ。「畳んでも柄が見える」設計の妙を最も堪能でき、無限のアレンジが楽しめます。最初の一枚におすすめ。
  • 130 × 130 cm(ショール):
    冬は暖かく、夏は涼しい実用的な配合です。大判なのでパレオやドレスのように纏うこともでき、旅先での一枚として重宝します。

日本からの購入方法とプラハのショールーム

現在、日本に実店舗はありませんが、Silky Gangの世界に触れる方法はあります。

プラハで体験する

もしプラハを訪れるなら、2024年にオープンした中心部のショールームへ。

そこは単なる店舗ではなく、イラストレーションのギャラリーのような空間です。

創設者のマルティナ氏が「(訪問を)歓迎する」と語るこの場所で、実際にシルクの肌触りと、圧倒的な色彩を体験してください。

日本から購入する

公式オンラインストアは海外発送に対応しており、日本からも購入可能です。

商品はプラスチックを一切使わず、リサイクル素材とセロファンで美しく梱包されて届きます。

「自分へのご褒美」が届いた瞬間、その箱を開ける行為自体が特別な体験になるでしょう。

日本への想いと、これから

創設者のマルティナ氏は、私たち日本人が持つ「美意識」と「ユーモア」が、Silky Gangの精神と深く共鳴していると感じているそうです。

現在、2026/2027年秋冬コレクションとして「日本にインスパイアされた新作」を準備中とのこと。

さらに2025年11月には、東京のチェコ大使館で新作発表のイベントも開催したんだとか。

チェコの伝統と物語を、現代の最高品質で纏う「Silky Gang」。

いつか誰かが気づく前に、あなただけの「物語」を先取りしてみませんか?

本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。

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