浅草/蔵前エリアにあるチェコ・東欧雑貨店「チェドックザッカストア」にて、チェコの家具メーカー「TON」のヴィンテージチェアを購入しました!
高機能な椅子が山ほどある中で、あえての木の椅子。ぶなの木を使用しており、たまにきしむ音が木っぽくていいですね。色合いや雰囲気に合わせて、こういった椅子のチョイスもありだなと思いました。
実は、購入時は TON の椅子ということは知らず「チェコの家具でデザインが気に入った」という理由で購入しています。
セール品だったこともあり今まで何も考えず使用していましたが、改めて色々調べてみたのでご紹介したいと思います!
「TON」について
始まりは、ぶなの木に囲まれた現チェコの Bystřice pod Hostýnem という町。この地に、ミヒャエル・トーネットとその息子たちが、曲木細工の家具工場を1861年に設立しました。
ミヒャエル・トーネットは、固い天然木を蒸すことで柔らかくし滑らかな曲線をつけるという「曲げ木技法」を考案したそうです。
時を経て現在のTON社へ。
この社名は、チェコ語で「曲木細工の家具工場」の意味を持つ「Továrny na Ohýbaný Nábytek」の頭文字からその名がついたとのことです。
伝統的な「曲げ木」の技術は後世に受け継がれ、その美しさは世界中で愛されているそうです!
※国内では、ディノスやIDEAなどもで取り扱いがあるようです。
ぶなの木を使ったヴィンテージチェア
修理の跡があるので昔のままの状態というわけではありませんが、傷や金具など年代を感じる部分も多く、木や生地の色合いが渋めで味があるなと思っています。
ちなみに、座り心地だけで言えば普通の椅子ではあります・・・!
ただ、手作りということもあり、ある程度解体がしやすいのも特徴。クッションが潰れてきたら、台座の部分を外し中に詰めるくらいはできそうですね。
TON 最大の特徴である曲線がこちら。角材という「線」の素材を曲線にするだけで、その印象はかなり変わります。
新品ではないので誰かが使用していたことを考えると、その丈夫さも感じることができますね。
ぶなの木は、加工性・接着性が比較的よいと言われていて、衝撃にも強いんだとか。今でも、曲木加工に適しているので脚物家具に利用されているそうです。
しかし、適切な乾燥が行われていないと偏食や腐食、曲がり・よじれなどが生じてしまうとのこと。
知れば知るほど、簡単に作れるものではなさそうですね・・・。
椅子の足は、前2つが「四分円」になっていましてデザイン性があります。後ろ2つは、四角い木が使われており背もたれまで伸びていました。
椅子の裏側。汚れが良いとは言いませんが、新品ではない雰囲気もいいですね。
椅子の足の組み木部分。
写真だとわかりにくいですが、台座をぐるっと囲うように1本の木材が使用されていて、組み木になっています。
こういう造りなのか割れている部分を補強したのかは未知数ですが、このような技術はみていて本当に楽しいです!
最後に
初めは「チェコの椅子を紹介する!」くらいに考えていましたが、曲げ木の技術やメーカーについて調べていくと、本当にどこまでも深く追っかけてしまいますよね。
チェコの家具については知見がほとんどないので、詳しい方がいたらぜひお話を聞いてみたいです!
今後もチェコの家具や雑貨については調べていこうと思います。