チェスキークルムロフへ行く前に。チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅前パブ「Paluba」で本場ブドヴァルの洗礼を。

プラハから南へ。ワインの街ズノイモを巡り、一度チェコを離れてオーストリアで数日。

隣国の文化を堪能し、再びチェコへと戻る列車の中。いつの間にか行き交う人たちの言葉はドイツ語からチェコ語に変わり「あぁ、帰ってきたんだ」という不思議な安心感を覚えましたね。

着いたのは、「チェスケー・ブジェヨヴィツェ(České Budějovice)」。

南ボヘミアの至宝チェスキークルムロフで開催される「五弁の薔薇祭り」なんですが、この街からバスに乗り換えます。

ここで出会った地元のビアパブが雰囲気最高だったのでご紹介したいと思います。

プラハからチェスキークルムロフへは直行のバスが出ているためあまり立ち寄らない街なのかもしれませんが、ビールが好きな方はぜひ立ち寄ってほしい街の1つです!

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船のデッキ(Paluba)という名の駅前ビアパブ

駅から外へ出てすぐ、風格漂う建物の1階に「Pivnice Paluba(ピヴニツェ・パルバ)」はあります。

「Paluba」とは、チェコ語で「船のデッキ」を意味する言葉。その名の通り、店内には操舵輪が飾られ、どこか旅情を誘う造りになっていました。

一歩足を踏み入れれば、そこは観光客の喧騒とは無縁の世界。使い込まれた木のテーブル、低く流れる常連客たちの話し声、そしてカウンターの奥で黙々とビールを注ぐおじさん。

「こんなお店が、私の家の近くにもあったらな……」

そう思わずにはいられない、温かくて、少しだけ無骨な「チェコの日常」がそこには流れていました。

アジアから来た私を珍しそうに見つめる常連客の視線も、決して冷たいものではなく、「おっ、アジア人がこんな渋いパブに来たのか」という感じでしょうかね。

3日間くらい滞在したら、仲良くなれそう。

この街では「ブドヴァル(Budweiser Budvar)」が正義

普段はピルスナーウルケルを愛してやまない私ですが、この街に来たなら話は別です。

チェスケー・ブジェヨヴィツェは、世界的に有名なビール「ブドヴァル(Budweiser Budvar)」の本拠地。

ここでは、他都市で飲むのとは一味も二味も違う、鮮度抜群のブドヴァルを楽しむことができます。

今回いただいたのは、定番の「Budvar Světlý(ブドヴァル・スヴェトリー)」。

黄金色に輝く液体の上に、きめ細やかで濃密な泡。

一口飲めば、爽やかな苦味とビール特有の甘みが完璧なバランスで喉を駆け抜けます。

長旅で乾いた体に、本場の洗礼が染み渡る瞬間。写真を撮りたいと伝えると、タップスターのおじさんが「問題ないよ!」と言ってくれたのが印象的でした。

ふとメニューに目を向けると、そこには「Budvar Kroužek(クロウジェク)」の文字も。

これは濾過したてのビールに少量の発酵麦汁を加え、醸造所で味わうのと同じくらいキリッとしたフレッシュな味わいのビールだそうです。

これは飲んでおいた方が良かったかもしれません…!

【旅のTips】乗り換えの3時間をどう使い切るか?

チェスキークルムロフ行きのバスが出るまで、あと2〜3時間。こんなルートはいかがでしょう?

  1. まずは「Pivnice Paluba」へ: 駅から真っ先に駆け込み、まずは本場の1杯を堪能しましょう。
  2. 向かいの「Mercury Centrum」へ: 道路を挟んで向かい側にあるショッピングセンター、ここがバスターミナルを兼ねています。
  3. フードコートで腹ごしらえ: ここのフードコートは侮れません。私が選んだのは、チェコの隠れた定番サイドメニュー「Krokety(クロケティ)」。外はサクッ、中はホクホク。素朴だけれど、ビールとの相性も抜群です。
  4. 屋上のターミナルからバスへ: お腹を満たしたら、そのまま屋上のバスターミナルへ。ここからチェスキークルムロフまではバスで約30分です。

通り過ぎるには、あまりにも愛おしい街

駅前のパブで常連客に混じってビールを飲み、地元の人たちが日常的に通うショッピングセンターでクロケティをつまむ。

そんな何気ない時間こそが最高の旅になるのではないでしょうか!

チェスキークルムロフとチェスケー・ブジェヨヴィツェはバスで30分程度。スケジュールに余裕があるのであれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

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