1人あたりのビール消費量が世界1位であるビール大国チェコ。
チェコの代表的なビールは、やはりピルスナーウルケルでしょう。世界で最も飲まれているビアスタイル「ピルスナー」の始まりは、ピルスナーウルケルの誕生に由来すると言われているほどです。
そして、何より国としてビールのクオリティが非常に高いということ。地方のスモールブルワリーをはじめ、日本では馴染みのないブランドが山ほどあります。
そんなチェコの樽生ビールが、日本で飲めないものか・・・。
ということで、この日お話を伺ってきたのは、世界のお酒の輸入卸販売をはじめ「世界のビール博物館」「Craft Beer Tap」などのビアレストランを運営するワールドリカーインポーターズの志宮さんです。
上記のビアレストランでは「Ježek Šenkovní Pale 10」をはじめとする樽生チェコビールを楽しむことができます。(※)
「チェコビールについてお話を聞いたい」とお問い合わせしたところ、快く承諾いただきました!
本日のお相手
志宮さんは、チェコをはじめ、ドイツ、ベルギー、イギリス、アメリカなどのビール大国へ実際に足を運びビールを選定してきた方。
チェコビールを取り扱うに至った経緯や、志宮さんの想いなどをお聞きしてきました。
現在は、一部の店舗でピルスナーウルケルを展開しています。最新情報は、必ず公式ページをご確認ください。
旨いビールと出会いインポーターへ
現在は、ワールドリカーインポーターズのレストラン部門の責任者として、レストラン事業全般を担当しています。
私どものレストランの特徴は、なんと言っても樽生ビールを自社で直輸入するからこそ実現した、品質の高さでしょうか。
世界には様々なビールが存在しますが、チェコ、ドイツ、ベルギー、イギリス、アメリカの5ヵ国に絞り選りすぐりのものを輸入・販売をしています。
弊社はインポーター(輸入業者)であり、かつ自社でレストラン事業も行なっているので、一気通貫した展開ができるのも強みの1つだと考えています。
志宮さんは、昔から世界のビールや料理といった分野に興味があったのですか?
その時の同僚から「ドイツでシェフをやるから手伝って欲しい」という話をもらい、21歳の時に料理人としてドイツへ。
当時はドイツに思い入れがあったわけではありませんが、同僚からのお誘いということもありましたし、当時は「日本で働きたくないな・・・」という気持ちもありドイツに行くことにしました。
メールでご連絡した際に「現在取り扱っているチェコビールは、10年前に私自身がチェコに行き探してきた」とおっしゃっていたので、てっきり根っからのインポーターなのかと思っていましよ!
でも、チェコビールにはまだ出会っていないんです。
実は、私のビールの概念を変えた1杯は、初めてドイツに渡った際にフランクフルト空港のバーで飲んだドイツビールなんです。
このドイツビールは、現在弊社のレストランで扱っているビールでもあります。
その後、28歳の時に帰国し「ドイツビールの魅力を日本人にも知ってほしい!」と思い、日本でドイツビールを扱っているお店を探し見つけたのが現在の会社というわけです。
当時はまだまだドイツ専門店が少なかったのですが、東京駅近くの「新丸ビル」がオープンするにあたり、本場ドイツを堪能できるビアレストランを出店することになりました。
これが大反響を呼びまして、同ビルのレストランフロアで常にトップクラスの売上を誇るお店へと成長していきました。
チェコビールとの出会いについて
スカイツリータウンを建設するにあたり、出店店舗の1つとして弊社にお声がかかったんです。
「新丸ビルと同じお店を出してもしょうがない」「大人のアミューズメントパークを作りたい!」と考え、「世界のビール博物館」というビアレストランを立ち上げることになりました。
私どもはインポーターですので、やるからには独自性やこだわりのあるお店にしたいと思い、2年の歳月をかけビール大国であるチェコ、ドイツ、ベルギー、イギリス、アメリカの5ヵ国に絞り、ビールを探す旅に出ました。
そこで出会ったのが、チェコ・プラハの南東に位置する小さな町「Jihlava」にある「Ježek」というブルワリーです。
そして交渉が進んだブルワリーからは、約40本くらいサンプルを用意してもらい当時のメンバーで飲み比べなども行いましたね。
また、チェコからの輸入にあたり最大のハードルとなったのが「賞味期限」と「ブルワリーの規模」です。
チェコはブルワリーごとにこだわりが強く、それこそブルワー長のような方は本当に職人気質で「頑固親父」という言葉がぴったりでしたね・・・。
ブルワリーごとに「ホップの香りを維持できる期間」などしっかりと決められており、品質に関して妥協することは一切ありませんでした。
賞味期限の兼ね合いで日本では展開しにくいビールもありましたし、生産量・輸出体制が安定しないブルワリーなどもあり、とても魅力的なビールなのに輸入を断念せざるを得ないこともありましたね。
しかし、初めにお話しした通り弊社はインポーターであり自社でレストランも経営しています。だからこそ、ビールの消費量やお客様の動向などを細かく把握することができたので、かなり踏み込んだ交渉がブルワリーとできたと考えています。
では、「Ježek」にした決め手は何だったのでしょうか?
このブルワリーは「工業的な大量生産はせずに、チェコらしいビール造りを信念に置いている」と話してくれました。
味はもちろんダントツで美味しかったですし、「Ježek=ハリネズミ」ということでキャラクターとしても愛着が湧く可愛らしさもあり、輸入することを決めました。
このビールは、今から約10年前(2011年頃)に私自身がチェコに行き「日本の方々にチェコビールのすばらしさを伝えたい!」という一心で探してきたビールで、クオリティには自信があります。
また、1つのブルワリーでは輸出が難しかったとしても、まとめて送ってもらうことでゲストビールとして提供していたりと、チェコビールの魅力を感じてもらうための機会を私たちのお店で作れたらと考えています。
実際に輸入することになった「Ježek Šenkovní Pale 10」について、志宮さんは当時こんなメモを残していました。
口に入れた瞬間、口の中に麦芽の甘みが広がるが、すぐに心地よいホップの苦味が訪れる。チェコらしいスッキリとした飲み口だが、余韻は長く心地よい。(志宮さんのメモより)
2022年1月末よりチェコの樽生ビールを再開!
最後に、読者の方々にコメントをお願いします!
私自身も、もともとビールが大好きな人間です。
以前は「ドイツビールが最高だ!」という思いが強かったのですが「世界のビール博物館」のオープンに際しビール大国を巡ることによって、様々な発見がありました。
各国、思いのこもったビールを作っています。
その中でも、チェコのブルワー長は頑固親父のような方々がいて、その職人気質にとても驚かされました。
そんなビールが、日本で当たり前のように飲めないのが残念でなりません・・・。
なので、我々の店舗でクオリティの高いチェコビールを飲んでいただけたらと考えています。
「Ježek」の入荷は2022年1月末頃を予定しておりますので、ぜひ開栓直後のチェコの樽生ビールを堪能していただけたら嬉しいです!
そして、チェコのビールにはまだまだ可能性を感じていますので、これからもどんどん掘り下げていきたいと考えていいます。
もし「このチェコビールがほしい!」という情報があれば、ぜひコメントをください!
引き続き募集していますので、もし何かあれば Twitter や Instagram よりご連絡ください。志宮さんに共有させていただきます!
Special Thanks!!
チョコの樽生ビールが飲めるお店は非常に少なく、常設店ともなればさらに少なくなるでしょう。
さらに、本当に新しいチェコビールの輸入が検討されることになれば、そこには期待しかありませんよ・・・!
何にせよ、まずは志宮さんがチェコで惚れたビールをじっくりと味わってみたいと思います。
志宮さん、お忙しい中お時間いただきありがとうございました!( by nocco )
はじめに、志宮さんやワールドリカーインポーターズについて教えてください!